【ネタバレ】漫画『にこたま』アラサーとは最後の思春期である!(あらすじ、感想)
アラサーのどろどろした感情が描かれた漫画が大好きなたっつん(@tatsuun7)です!
以前、読んでみたい漫画記事で書いてた中から「にこたま」読みました!
5巻読み終わった感想なんですが、表紙のイメージとはかけ離れた展開で、なかなかエグられるマンガでした…。笑
- 付き合って長いのに、結婚はしてない恋人がいる
- 彼氏に浮気された経験のある人
- 人生の意味を探している人
10秒でわかる、漫画『にこたま』あらすじ
≫モーニング公式サイト 「にこたま」
主人公のあっちゃんと恋人のコーヘーは交際歴9年、同棲5年のカップル。
結婚のきっかけをつかめないでいた。
あっちゃん「いつかコーヘーと結婚とかするのかなぁ…」
とぼんやり考えていたある日、コーヘーから衝撃の一言を告げられる。
コーヘー「俺、子供出来た」
あっちゃん「…誰の子…?」
「いつかは、この人と結婚するのかなあ…?」とぼんやり付き合っていた長年の恋人から、職場の上司を妊娠させてしまったとカミングアウトされる物語。
あっちゃんとコーヘーは、この先一体どうなるのか?パートナーとの生き方・生きる意味を問う、大人の恋愛マンガです。
漫画『にこたま』感想・ネタバレ
とりあえず、読み終わったあとのモヤモヤ感が半端ない。
ラストはあれでよかったのかなー。「もっと他の幸せな道もあっただろうに…」と思えて仕方がない。
アラサー未婚カップルの恋愛事情が、リアルに描かれたマンガ「にこたま」
不仲なわけでもなく、かといって結婚するわけでもなく恋人となんとなく過ごす毎日。
「いつかは結婚できるでしょ」と信じて、そのタイミングを待ちながら、毎日惰性的に過ごすあっちゃんとコーヘー。
同じくアラサーの恋愛模様を描いた『東京タラレバ娘』は「殺傷能力高すぎいいい!(死)」と騒がれつつも、ギャグやファンタジー要素もあってまだ救いがありました。
が、『にこたま』は、読んだあと、なんともいえない憂鬱感に襲われます。
タラレバよりも、もっと重くてしかも笑えないタイプのやつ…!
ギャグ要素少なめで、淡々と修羅場が描かれているせいもあって、読後感はかなり重ためで、胃もたれ必須ですね。笑
作者は渡辺ペコさん。女性の漫画家さんで、心理描写のシーンが結構あるんですが、これがまた、アラサー女性にビシビシ刺さりまくる!!笑
近頃の私の気分は「バイキング」だっけ?
あれみたいで疲れちゃうんだ
ふとした瞬間にスイッチが入って
感情が揺れだしたらもう止まらない
にこたま(1)
女性なら矛盾してるとわかっていながらも、感情が暴走してしまうあっちゃんのこのシーンに思わず共感してしまうはず。
卑屈で嫌味な自分はやだなぁと思いつつも、恋人にイヤミなこと言っちゃう時あるよねー。イライラしてる時にやっちゃうやつ…。
まぁコーヘーはボロクソいわれても仕方がない事しちゃったから、自業自得としか言いようがないけど。笑
恋に翻弄される女性たち。必ず共感するキャラクターがいるから面白い!
にこたまには、恋愛に悩む女性キャラが多数登場します。
- 長年の彼氏に浮気される、あっちゃん
- ワープアの彼氏にプロポーズするも、上手くいかないあっちゃんの友達
- 既婚者との恋に落ちる、あっちゃんの友達
- 非モテで自分に自信がなく、恋愛ができない店長ともよ
- 恋人じゃない相手の子供を妊娠してしまう高野さん
読む人によって共感するキャラクターが変わってきますが、私がこの中で共感したキャラは、あっちゃんの仕事先の店長、ともよでした。
にこたま(2)
ともよ「結婚がしたいっていうか、安心したいの。いちばんの味方がほしい」
圧倒的、わかる。
わかる、わかりすぎる。共感しすぎて、赤ベコみたいになってる。
モテないという自分の立ち位置をわかっているから”結婚”に対して理想的な憧れは抱いていないんですよ。
でも、ひとりぼっちは不安。
とにかく安心したい。そんなともよが孤独を回避するには、結婚が一番手っ取り早いシステムなんですよねー。
そう、安心したいだけなのよねー。生きてきたら、裏切ることもあれば裏切られることもあるし、見捨てられることもある。
だからこそ、自分を傷つけない絶対的な存在が欲しいという、ともよの気持ちが痛いほどわかる。
だから、結婚相手というよりも一番の味方が欲しい。ただただ、安心したいだけなんだ、私たちは。
そういやね、アラサーになってから、「結婚はしたくないけど、子供は欲しい~」っていう友達が割とたくさんいて、おどろく機会が増えたんですよ。
「結婚せずに子供ほしいとか、錬金術か何かかな?」みたいなこと思ってたんですが。笑
そんな友達の言葉を聞いて、思ったのは
「結婚はしたくないけど、子供がほしい」
「結婚はしたくないけど、味方がほしい」
これってさ、欲しがってるものは違えど、本質的には一緒なんよね。自分本位でしかなく、そこに相手の姿はない。
店長は自分を非モテだと認識しているから、恋愛にも期待できない。でも、人並みの幸せは手に入れたいし、一人で戦い抜くにはこの世は厳しすぎるし。
ともよが「恋人が欲しい」じゃなくて「一番の味方が欲しい」といったセリフの裏には、自分を磨くための努力や、傷ついてでも恋愛にぶつかっていく勇気はないけど、辛くなったときに応援してくれる「都合のいい人が欲しい」という気持ちが隠されていて。
それに気づいたとき、ともよに共感した私もドキッとしました。
そっか、私もただ1人の人と向き合う勇気も努力はしたくなくて、ツライ現実から逃げていたいだけなんだって。
仕事ばっかり夢中になって、恋愛ご無沙汰にしていると、異性との向き合い方がわかんなくなっちゃうよね〜。笑
しかも年齢もそこそこいってるから「こんな歳になって傷つきたくない…」って防衛本能まで働いて…。
ダメじゃん店長!そもそも、自分の事非モテって言ってる人で、魅力的な人ってほぼ見たことないよ!!!
(ここで、特大ブーメランが私の頭にぶっ刺さる)
店長みたいな考えだと、味方が見つかったとしても、いずれ破綻するのは目に見えまくってる。
相手が自分の「一番の味方」であり、自分自身も相手にとっての「一番の味方」にならなきゃいけない。
見返りがなかったとしても、一生相手のサポーターであり続ける覚悟を決める事。
『にこたま』を読みながら、「それが結婚っていうことなのかなあ」とぼんやり思ったりしました。
まだ私には、結婚早いかもしれない…(遠い目)
まとめ 人生2回目の思春期をどう過ごそうか
以上、にこたま感想でした。
ほのぼのとした表紙イラストに惹かれて手に取ったものの、最近読んだアラサー主役の漫画の中でダントツのうつマンガでした!(苦笑)
ヘビーな内容ではあるものの、男女の気持ちがすれ違う理由や、他者との繋がり方、そして人間の深く強い欲求である「この世に何かを残す」という本能を真面目に考えるきっかけになりました。
同じく、未婚同棲カップルを描いたマンガ『喰う寝るふたり 住むふたり』も読みましたが、似たような生活スタイルのカップルが題材にされるってことは、登場人物と同じ環境の人たちが増えてきてるんだろうなぁと。
女性が働くようになってから、恋愛のあり方って変わりましたねー。
ってわけで、にこたまは女性向けの柔らかい感じの絵柄だけど、ぜひ男性に読んでほしい1冊です。
「出来心で浮気すると、こんな大変な事になっちゃうよ」という戒めの意味も込めて、彼氏に読ませるのいいかもしれませんね。笑
5巻で完結なので、飽き性の人でもサクっと読めるところも◎
ただプチ鬱になるので、夜に読むのはおすすめしません!メンタルが元気な時に読んでください。笑
ちなみにね、タイトルの『にこたま』には由来があるんだけど、これまた予想外な由来でした…。笑
ぜひ、本編で『にこたま』の由来、確認してみてください!
渡辺ペコさんの新作マンガ『1122』も問題提起作で、「公認不倫」を認める夫婦のお話です。
こちらもなかなかダークですが、共感み深いテーマでした。
▼『1122』の感想
にこたまで気分が滅入ったひとは、アラサーカップル同棲あるあるを描いた『喰う寝るふたり 住むふたり』で、お口直しを。
恋人と同棲経験のある人なら、間違いなく笑えて泣けるカップルマンガです。