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【ネタバレ】映画『きみはいい子』感想。大人だって褒められたい。大人だって抱きしめられたい。

きみはいい子

きみはいい子
最近、誰かをぎゅっと抱きしめましたか?

中脇初枝の小説『きみはいい子』を呉美保監督が映画化した作品『きみはいい子』見ました!

 

んー、泣いた!!めっちゃ泣いた!
私未婚だし子供もいないし虐待経験もないけど、めっちゃ泣いた!
やっぱ呉美保さんの作品は泣ける~~~(涙

 

結婚してお子さんがいるお母さんが見たら、また違った視点になるのかなと思います。

 

この記事では

  • あらすじ
  • 感想
  • ネタバレ
  • ラストシーン考察
  • きみはいい子を無料で見る方法

について書いています。

 

 

映画『きみはいい子』あらすじ

まじめだが優柔不断で、肝心なところで一歩を踏み出すことができない新米の小学校教師・岡野。近所のママ友たちとの表面的な付き合いの陰で自分の娘に手をあげ、自身も親に暴力を振るわれていた過去をもつ雅美。最近感じはじめた認知症の兆しにおびえる独居老人・あきこ。とあるひとつの街に暮らし、悩みや問題を抱えて生きるおとなと子どもたち。彼らが、人と人とのつながりに光を見いだし、小さな一歩を踏み出していく。
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小学校の教師である新米教師の岡野匡(高良健吾)、海外出張で夫不在の家庭で3歳の娘を育てる水木雅美(尾野真千子)、そして家族を亡くし一人で暮らしている佐々木あきこ(喜多道枝)の3人が主人公。

子供を虐待してしまう母親、ネグレクト、いじめや学級崩壊、モンスターペアレンツなど学校を取り巻く問題や孤独に暮らす独居老人…。

 

様々な年代の人が抱える悩みや苦悩が描かれていく。

 

 

映画『きみはいい子』感想、ネタバレ

きみはいい子1

映画『そこのみにてそこのみにて光輝く』でもメガホンを取った呉美保さんの作品だったので、かなり期待して見たんですが…

 

大号泣。

目がジャバ・ザ・ハットみたいになるくらい泣きました。

 

虐待シーンやネグレクトなど思わず目を背けたくなるような描写もあるんだけど、その先には救いや希望もきちんと匂わせていて、ただ鬱っぽい気持ちなまま終わりでもなければ、決して綺麗事を描いたわけじゃなくて。

その現実と映画との「バランス感」がちょうどいい作品でした。

というか役者陣の演技が自然で、没入してみれるところもよかった。

 

そして、「いい映画だったな〜」だけで終わらず、見た後にきちんと心に残るものがあって、家族や他人とのつきあい方を、見直すきっかけを作ってくれるいい映画!

 

テーマは、かなり重ためです。

  • 昔、親から虐待された事が原因で自分の子供にも虐待をしてしまうお母さん
  • 親からネグレクトされていてろくに食事を食べさせてもらえない小学生
  • クラスで起こるいじめ
  • モンスターペアレンツから学校への圧力
  • 孤独に一人暮らす老人

など、社会で起こっている問題を

小学校の教師である新米教師の岡野匡(高良健吾)
夫不在の家庭で3歳の娘を育てている母親、水木雅美(尾野真千子)
家族を亡くし一人で暮らしている独居老人の佐々木あきこ(喜多道枝)

3人の目線を通して描いていきます。

 

 

特に子供と上手く向き合えず虐待してしまう雅美のシーンは、演技とはわかっていながら、かなりきついシーンでした。心が辛かった。

 

イライラした雅美が、あやねを突き飛ばして何度も叩くシーン*1があるんですが、フィクションだとわかっているのに、精神的にきつくて思わず目をそむけてしまいました。

多分、雅美も好き好んであやねを虐待しているはずがないんですよね。

本当は上手く向き合いたいのに、雅美が親から虐待されていたせいで愛し方がわからず、虐待してしまう…という負のループ。

心が握りつぶされるように辛かった。

私はまだ未婚だし子供もいないので、知らない世界なんだけど、こういう閉鎖的な場所で誰にも相談できずに苦しんでいるお母さんって、結構いるんじゃないかなと思ったり…。

 

 

一番泣いたのは、物語後半の陽子と雅美の抱擁シーン。

 

結局、誰にも相談出来ずに1人苦しむ雅美に、ひかるくんとハナちゃんの母親である大宮陽子(池脇千鶴)が近所のママ友として関わるようになっていくんですね。

 

映画後半で、雅美があやねを虐待してることに気づくんだけど、ここの陽子と雅美のやり取りで涙腺ダム決壊☆

 

陽子「親から酷いことされたよね。わかるよ、私もそうだったから。」
陽子「水木さんも辛かったよね、自分の事嫌いでしょ。」

 

 

ここまで雅美が映るシーンは、寒色で無機質で冷たい印象を受けるような画面が多かったんですが、この陽子との抱擁シーンで、やっと雅美にも暖かな優しい光がふわっと差し込んで暖かな画に変化していくんですね。

 

今まで孤独だった彼女に救いの手(暖かな光)が差し伸べられたというのを抽象的に表現していて、とても印象に残る美しいシーンでした。

 

 

 

「虐待されていた子供が親になった時、自分の子供も虐待をしてしまう」というのを聞いたことがあります。

恐らく「親に虐待されたから、私も子供にする」なんて簡単な心理ではなく、その人の心にはきっと愛情の欠落があって「親に愛されたかった子供の頃の自分」がまだ心のなかにいるのかなと思ったり。

 

そして親から愛されなかったから、愛し方がわからず子どもとの向き合い方がわからないまま親になってしまった人なんじゃないかと。

 

実は陽子も、雅美と同じく子供の頃虐待されていた子供だったんだけど、雅美と違ったのは近所に話し相手のおばあちゃんがいた事だったんですよね。

 

その人が「べっぴんさん」と褒めてくれていたこと。
そして、家庭や学校以外に「居場所」があったこと。

雅美も陽子も子供の頃は同じように虐待を受けていたけど、大人になる過程で誰かとの出会いがあるかないかで、その後の子どもとの付き合い方が180°違う形になってるんですね。

 

 

虐待してしまう尾野真千子、生徒のネグレクトに悩む新米教師岡野、孤独に怯える独居老人あきこも、家族以外の「他者の存在」と関わることで新たな「居場所」ができて閉鎖的だった世界が変わっていきます。

そこのみにてそこのみにて光輝く』でも描かれていたけど、呉美穂さんは「他者の愛や関心が、どこかで苦しんでいる誰かを救うかもしれない」というメッセージを作品に込めています。

 

主に尾野真千子のストーリーに特筆したけど、他にもいいシーンがいっぱいありました。

仕事も恋愛も思うようにいかなくて落ち込んでいる岡野を、姉の子供のレンくんがぎゅっと抱きしめながら「がんばって」「がんばって」と何度も言うシーン。

そんな2人を見て岡野姉が

岡野姉「あの子、私の真似して抱きしめて背中ポンポンってするの。私があの子に優しくすれば、あの子も他人に優しくするの。子供可愛がれば世界が平和になるわけ。母親って凄い仕事でしょ!

とペイ・フォワード精神満載なセリフを言うんですよね。

 

メッセージ性が強いだけに説教臭くなりがちなこのセリフも、実の姉から言われることでスッと心に入ってきました。

 

あとは映画後半で、岡野が生徒たちに課す宿題があるんですが、この宿題の内容を答える子どもたちの表情がめっちゃよかった…!

そのシーンまでいうことも聞かないし、いじめや問題行動起こすやんちゃで憎たらしい子供達といったような描かれ方をしていたんだけど、生徒ひとりひとりとちゃんと向き合ってみると、それぞれみんなとても愛くるしくて可愛らしい1人の子供なんです。

あまりにもこのシーンの子どもたちの顔が素晴らしかったので、どうやって演出したのかなーと調べてみると、このシーンは高良健吾と子役達のアドリブで撮影されたシーンだそうで。

子役恐るべし…!!!笑

 

ほんとこの映画に出てる俳優さん女優さん達の演技が本当に素晴らしくて。子役達の演技がすげぇ…。自閉症を持つ弘也という男の子を加部亜門くんが演じているんだけど「本当にそういう子なのかな…?」と思って見てしまうくらい、名俳優でした。

 

あとは池脇千鶴!!!そこのみにて光輝くの時もジョゼの時も名演技だったけど、作品の世界観に溶け込む能力が半端ないっす!!!(笑)

「あー、陽子みたいなお母さんいるいる」っていう本当に実在するんじゃないかっている既視感というか。周りのママ友と比べて言動も服装も垢抜けない感じがするんやけど、子供と接する彼女の姿は愛情に満ち溢れていて「元気で明るい、いいお母さん」というのが説明なしに伝わってくる。

 

それから、内縁の夫からネグレクトされている神田くんの父親。あのクズっぷり!!!

姿だけで「こいつはろくでもないやつだ」っていうのがわかるっていうね。笑

呉美保監督は貧困層を描くのがとてもうまいし、実在する人物を見ていると錯覚させる役者さん達の演技に脱帽。

 

 

 

そういやお子さん持つ人に聞きたいんだけど、学校のシーンで「差別にならないように男の子も女の子もさんづけで呼ぶように」なんて描写があって。

今の学校ってそんな風になってるの?

男の子はくんづけで呼んじゃダメなの?それが差別?なんで?

他にも教室にかけてあるランドセルが黒・赤だけじゃなくて色とりどりカラフルだったりと自分が子供の頃とは全く違う時代になってるんだなあとしみじみ感じました。

 

『きみはいい子』の気になるラストシーン

きみはいい子気になるのが、ラストシーンですね。

岡野が神田さんが学校が好きで鉄棒のところにいたわけじゃなく、時計を見ていたことに気がつきます。

 

「父親から17時まで返ってくるな」と言われていたから。早く17時にならないかな~って時計を必死に見てたんですね…。

 

それに気づいた岡野。全力ダッシュ!!!!!笑
そして、神田さんの家のチャイムを鳴らしたところで映画は終わります。

 

そう、結局ネグレクト問題については、はっきり解決しないまま終わるんですよね。

見ている人に想像させるような余韻を残した形で終わるんですけど、私はこの終わり方なかなかよかったなーと思いました。

 

というのも、岡野が神田さん家の問題を解決することが大事なんじゃなく、岡野が神田さん家に関わろうとしたその一歩がめちゃくちゃ大事だから。

 

その後は描かれませんでしたが、岡野や児童保護施設の方が介入して、神田くんの問題はいずれ解決するんじゃないかな~と想像しました。

 

 

ネットが普及して、希薄な人間関係でも生きていける便利な現代。

だからこそ、家族以外の他者との繋がりが、自分の些細な行動が、誰かを救うかもしれない。救うまでいかなくても、なにか変化を起こすきっかけになるんじゃないか。

そんなメッセージを感じました。

 

 

まとめ 呉美穂作品は泣ける!

以上、映画『きみはいい子』感想でした。

 

私はとりあえず見終わった後、家族をハグしてみたんですね。

家族にも「なに!?」って言われたし、めちゃくちゃ照れくさかったけど、心が暖かくなりました(笑)

 

 

子供はもちろん、大人も一人で苦しんでいる人がいっぱいいる。

でも、困ったときに話を聞いてもらえたり相談できる人がいるというだけで、少しは安心できるんじゃないだろうか。

特に、子育てしているお母さんは孤立しがちで、子育てで悩んでいても誰にも相談できずに1人で悩みんで苦しんでるお母さんが世の中にはいっぱいいるんだろうなと。

 

そんな1人で悩みと戦っている人達が少しでも楽になれるように

「貴方ひとりだけじゃないよ」

って居場所がもっと増える社会であってほしいなと願うし、そういう人を見た時に手を差し伸べられる人間でありたいと思ったりしました。

 

改めて

「母親って偉大だなぁ」
「家族を作るって1人じゃ大変だ」

って思わせてくれる作品でした。

 

恋人だったら、ちょっと嫌だったり合わないと思ったら簡単に別れることができるけど、家族はみんなで育てていくもので、ちょっとやそっと嫌なことがあっても飲み込んで受け止めなきゃいけないし、簡単にやーめた!ってできないもの。

 

みんなで協力して育てていかなきゃいけない関係だからこそ、大変でもあるけど魅力的なのかなぁ、と感じました。

いつかは「大変だけど結婚っていいぜ!旦那好きだぜ!子供愛してるぜ!」なんて言える肝っ玉おかんになりたいな~

 

映画『きみはいい子』を無料でみる方法

きみはいい子1
映画『きみはいい子』は以下のサービスで見ることができます。

 

どちらも呉美穂監督作『そこのみにて光輝く』が見れるので、どちらでもOKですが、作品数で言ったら、U-NEXTのほうがおすすめですね。

 

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*1:実際には尾野真千子は自分の手を叩いていたそうだけど「叩いている方の心も痛い」みたいな意味合いもありそう。

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アラサーサブカル女、たっつんです♪ 映画、漫画、猫が好き。 現在はブロガー・イラストレーター・デザイナーとして活動中。 田舎に住みながらゆるくフリーランスしてます。

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