恋愛

尾形真理子『試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。』あらすじ、感想

試着室で思い出したら、本気の恋だと思う
カワイイ服を買ったとき、一番に見せたい人は誰ですか?

たっつん
たっつん
こんにちは、恋という字を辞書で引いて、そこに彼の名前を足しておきたいたっつん(@tatsuun7)です。

 

春ですねー!女子のみんな恋したいですねー!

こないだ本屋をフラフラしてるときにたまたま見つけたんだけど、タイトルに惹かれて買ってしまった尾形真理子さんの『試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。』を紹介しまーす。

 

てか、タイトルほんまにすばらしい…。秀逸。

 

読むと、思わず恋したくなる本。
この時期に読むのにぴったりの一冊です。

 

 

『試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。』あらすじ

年下に片思いする文系女子、不倫に悩む美容マニア、元彼の披露宴スピーチを頼まれる化粧品会社勤務のOL……。恋愛下手な彼女たちが訪れるのは、路地裏のセレクトショップ。不思議な魅力のオーナーと一緒に自分を変える運命の一着を探すうちに、誰もが強がりや諦めを捨て素直な気持ちと向き合っていく。「あなたといたい」と「ひとりで平気」をいったりきたりする女心を優しく励ましてくれる物語。ルミネの広告コピーから生まれた恋愛小説。
『試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。』-Amazon

著者は、博報堂に勤めるコピーライターの尾形真理子さん。

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出典:Ad Making | LUMINE MAGAZINE

女性の心をグッと掴むルミネ広告コピーを始め、多数の有名広告コピーを担当されています。

 

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出典:Ad Making | LUMINE MAGAZINE

今作『試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。』は尾形真理子さんの小説初デビュー作品。

全5編の短編集。主人公は様々なカタチの恋に悩む女性たち。
渋谷にあるセレクトショップ「closet」を舞台に物語が進んでいく。

 

『試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。』感想

さすがコピーライターさんの書いた小説。

心に刺さる一文が、満載やーーー!

 

短編集なこともあり、文章はとてもライトで読みやすかった。
キャラクターの心情やセリフ一文が、心に刺さりまくる。

 

10年付き合った彼氏とマンネリ気味のメイコ。
既婚者の永瀬と不倫関係にあるクミ。
9つも年下の男子に恋してしまったチヒロ。
元カレの披露宴スピーチを任されてしまったアユミ。
多彩な彼に憧れる平凡なマサコ。

 

物語の文体はとても柔らかく、キラキラしたオシャレな描写に思わず心が躍る。

主人公たちが洋服との出会いを通して、自分も知らなかった新しい自分に気づく描写がとてもいい。

要は、若い頃は勢いで着られても、年を重ねると服も人を選ぶということだろう。
店員は「物足りない」と気を遣って言ってくれたけれど、ポジティブにいえば、年を重ねてもっと違うパンツが着こなせるようになるということ。
わたしは白いカブリパンツに、自分を無理に合わせようとしていた。「わたしに似合うパンツ」ではなく、「白いパンツが似合うわたし」に固執していたのだ。
『試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。』P.87

作中ででてくるセレクトショップ「closet」のスタッフさんの接客がとにかく素晴らしい。

恋に人生に洋服。様々なものに縛られ、生き迷う主人公たちにぴったりの洋服を見繕っていく。

こんな店員さんいる店だったら、すぐ常連なるわ~!(笑)

 

各話タイトルもおしゃれで、好き。

  • あなたといたい、と ひとりで平気、を いったりきたり。
  • 悪い女ほど、清楚な服がよく似合う。

 

5人の主人公が登場しますが、読む人によってどの登場人物に感情移入するか変わってくると思います。

私の場合は、一番最初の話で出てくる27歳ネイリストのメイコでした。

同じような環境になったことがあるから、一番共感しやすかった。

 

わかるわかる~~!と首がもげるほどうなずいたのは、メイコが彼氏の良太郎との今の関係性について触れるシーン。

良太郎をキライになったわけではない。前ほど好きかといえば、それは微妙だと思う。良太郎の何が変わったわけではない。良太郎が変わらなすぎるのだ。
『試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。』P.27

うっわー、同じこと思ったことあるー…(笑)

 

私と同じようにメイコに共感する女性は多数いるんじゃないかな。

最初はその素朴で着飾らないところが好きだったりしたのに、どうしていつの間にか変わっていっちゃうんだろう。

 

キライじゃない、でも好きなのかわからない。
しばらくマンネリ状態、かと言って別れる勇気もない。

 

他の話でも、女性心理が繊細かつ丁寧に描かれています。

素直に歳を重ねていきたいとクミは思った。三十二歳のわたしを楽しんであげたい。不倫の恋を心配してくれた女友達は、みんな結婚していった。彼女たちは「だまされている」と言ったが、それは自分でもわからない。
「他にもっといい人がいるよ」とも言った。それもわたしにはわからない。いるかもしれないし、いないかもしれない。
自分にとっての「いい人」は、自分で決めるしかないのだから。
『試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。』P.88

三十五歳になって、こんな気持ちになるなんて思わなかった。涙をこぼすような恋愛は、もうしないと思っていた。
感情は年を取らないのかもしれない。対処の仕方が大人になっていくだけで。
『試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。』P.132

ひとつひとつの言葉がとても丁寧で、読み進めていくと心がスッキリして晴れ晴れとした気持ちになっていく。

 

アラサーともなると、身も心も焦がれるような恋愛は段々できなくなってしまう。
なんとなくどこかで自分自身にセーブをかけてしまうから。
恋が終わったときに、ぐちゃぐちゃになってしまいたくない。
そんな自分は愚かで情けなくて、みじめだって知ってるから。

そんな恐れから、純粋に人と向き合えなくなっていたのかもしれない。

 

でも、この本を読み終わってみると、

「思い切っきり恋に振り回されるのもたまにはいいかも」

なんて思った。

だって、試着室の中で思い浮かぶ人ができてしまったから。
恋する相手を思いながら洋服を選ぶ時間は、他のどんな時間よりも幸福感に包まれていることに気づいてしまった。

 

好きっていうのは意外と単純で、「その人の喜ぶ顔が見たい」というシンプルな気持ちでできている。そんな単純明快なことなのに、どうしてすっかり忘れてしまっていたんだろう。

 

このスカート、彼が見たら喜んでくれるかな。

 

彼の顔を思い浮かべながら、私は試着室を出た…。
って、思わずポエミーな文章になってしまった

まとめ 読み終わると恋がしたくなる

以上『試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。』感想でしたー。

 

恋愛ご無沙汰だなーって人におすすめしたいなぁ。
春だし何か始めてみようかな!って思わせてくれる本でした。

 

アラサーともなると「恋の仕方、忘れちゃったなぁ…」って切なくなる時もあるけれど、焦る必要なんてない。

いつか好きな人が目の前に現れた時、誰に教えられたわけでもなく私たちは自動的に恋するモードオンになるはずだから。

その時に備えて、今のうちにクローゼットを彩っておかなくちゃ。

もしも恋に破れて、みじめな思いしてもいいんだ。
実らなかった恋にも、ちゃんと実ができているのだから。

 

 

たっつん
たっつん
春になると毎年「あー、恋したいなぁ…」と思うのは、生物である本能がそうさせるのかしら。

 

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アラサーサブカル女、たっつんです♪ 映画、漫画、猫が好き。 現在はブロガー・イラストレーター・デザイナーとして活動中。 田舎に住みながらゆるくフリーランスしてます。

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