書評

【ネタバレ】貴志祐介『天使の囀り』映画化して欲しくない小説ナンバーワンだと思う(あらすじ、感想)

この本だけは絶対実写化されるな…!!

たっつん
たっつん
どうも、オカルト好きたっつん(@tatsuun7)です。

 

読書好きの友達におすすめされた本、貴志祐介『天使の囀り』読み終えました。

 

あのさぁ、友よ…

なんてもんすすめてくれたんだよー!!!

 

読書でこんなに気分悪くなったの、楳図かずおの『影亡者』以来。
読んだ後の後味悪さ、サイコウ!!!

 

では、あらすじとネタバレと感想書いていきます。

かなりグロテスクな内容になっているので、閲覧注意でお願いします。 

 

貴志祐介『天使の囀り』あらすじ

終末期医療現場で精神科医として勤めている主人公の北島早苗。

早苗の恋人、高梨は死恐怖症(タナトフォビア)を患っていたが、新聞社が主催したアマゾン調査隊に参加してから、様子がおかしい。

 

一番死を恐れていた彼が、死ぬことに取り憑かれてしまったような言動をするようになっていく。

 

以前とは違う高梨の様子に、戸惑う早苗。

早苗の心配は的中し、ある日突然、高梨は自殺してしまう。

まるで、死に魅せられたかのように…。

 

 

高梨が生前、とり憑かれたようにつぶやいていた言葉


「天使の囀りが聞こえる…」

 

その”天使の囀り”の正体を突き止めようとする早苗。

そして、驚愕の真実を知ってしまう…。

 

以下本編に関わるネタバレ書いています。
未読の方は自己責任で読んで下さい。

 

 

貴志祐介『天使の囀り』ネタバレ

高梨の生前の変貌ぶりと不審な自殺を怪しんだ早苗。
アマゾン調査隊で同行したメンバーについて調べることに。

すると、同行メンバーも高梨同様、不審な死を遂げていた事が判明する。

子供を失う事を恐れていた人は、娘を道連れに自殺。
ネコ科猛獣を怖がっていた教授は、サファリパークで身を投げ出し、虎に襲われて死亡。

 

いずれの事件も、本人が一番恐れていた方法で自殺していたことが発覚する。 

 

そして自殺したメンバーを司法解剖すると、なんと脳から寄生虫が発見される。

早苗は「もしかして、これが自殺の原因なの…?」と疑い始める。

 

更に事件を追っていくと、アマゾン調査中に食料が不足し近くにいた「ウアカリ」という猿を食べたという情報がでてくる。

 

ウアカリが寄生虫に感染していたせいで、メンバー全員が寄生虫に感染してしまったのだった。

 

高梨がうなされるように言っていた”天使の羽音”の正体は…

寄生虫が脳の中を這いずる際に、奏でる音だった。

 

 

貴志祐介『天使の囀り』解説・Q&A

読者
読者
高梨がうなされるように言っていた”天使の羽音”の正体は?
たっつん
たっつん
寄生虫が脳の中を這いずっている音!

 

読者
読者
寄生虫に感染したメンバーが、次々と不審な自殺をとげたのはなぜなの?
たっつん
たっつん
それは、線虫に寄生された動物は「恐怖」を「快感」に書き変えられてしまい、防衛本能としての恐怖心を失ってしまったから。

 

女性
女性
早苗はなぜ、最後線虫が入った試験管を1本を破棄しなかったの?
たっつん
たっつん
病気で苦しむ患者の男の子に使う為

 

貴志祐介『天使の囀り』感想

私ね、マルタイラーメンっていう細長ーいひょろひょろっとしたラーメンが大好きなんだけど、『天使の囀り』読み終わった後、しばらく食べられなくなりました。

寄生虫を思い出して(絶句)

 

天使の声の正体は、ウアカリという猿から感染した寄生虫の『線虫』でした。

線虫は寄生すると、脳を目指し始め、その虫が這いずる音が、まるで”天使の羽音”のように聞こえていた、というわけ。きんもー☆

やがて、線虫は脳に達すると、A10神経に刺激を与え「恐怖」を「快楽」へと変え、寄生した動物をコントロールし始めます。

更に「恐怖や苦しみから解放される世界にいけるぞ!」と勘違いした人たちによって、さらに線虫感染が広げられてしまう展開に。(サイアクだ…)

オカルト的な展開になるのかと思ってたら、寄生虫に操られるというストーリーでしたねー。洗脳とかオカルト話よりも、こっちのほうが怖いぃいいい(笑)

寄生した生物を操る寄生虫って、実際いるし幽霊よりもリアルで怖いよね…(笑)

(グロいので載せないけど、気になる方は『ロイコクロリディウム』で検索してみて)

高梨が死んでからは場面が移り、信一という男の子視点で物語が進みます。
信一の恐怖の対象は蜘蛛…。

ねぇ、嫌な予感しかしないんだけど~~~!?

虫嫌いの私が、なんでこんな本読んでるんだ…。
すすめた友達、ほんと許すまじ…。 笑

信一は自身の心の弱さを克服するため、ネットで見つけた自己啓発セミナーに参加します。

調査隊で寄生されたメンバーのうち2人は、死んでしまうほどの恐怖対象がなかったために、助かっていたんだけど、そのせいで「この虫に寄生されれば、何も怖くない素晴らしい世界が開ける」と思い込み、よかれと思い、猿の肉を自己啓発セミナーに集まった人達に食べさせてしまう。もちろん信一も…

その後の展開は、ご想像の通り…(白目)

肉を食べてからというもの、セミナーの人が言うようにこれまで嫌いだった蜘蛛への恐怖心はさっぱり消え去って、信一は「自分が変わった」かのように錯覚し始めます。

前まで嫌いだった蜘蛛を、異常に愛し始めるシーンは絶望的でした。

読んでいるだけで体がゾワゾワするような感触が伝わってきて、まるで虫が体を這いずっているかのような感覚が…。あー、文章であんな吐き気催す表現できるって貴志さん天才ですね…(笑)

後半の寄生虫に感染された人間たちの描写シーンも絶句。
「映像じゃなくて、本当によかった…」と思いながら読み進めてたんだけど

一番印象に残ったのは、ラストシーン。

早苗が働くホスピスで、いつも会話をしている仲の良い男の子がいました。
「僕、死ぬのが怖いんだ」と嘆く男の子に対して、何もしてあげられない不甲斐なさを感じる早苗。

死に苦しむ男の子をみて、早苗は「苦しまずに逝かせてあげたい」と思い、隠し持っていた虫を、男の子に寄生させてしまいます…。(やめてぇえええ)

結果、男の子は死を恐れることなく
「鳥が天井を飛び回っている声が聴こえる!!!」
と、安堵したような表情のまま死を迎える…。

というハッピーエンドかバッドエンドかわからない、ラストなんだよねー。

読み終わった瞬間は、早苗の行動に全く共感できずに
「えええ!?結局、男の子に寄生させちゃったの…!?」
と、裏切られた気持ちでした。

だからバットエンドだと思ってたんだけど、数日経ってから気持ちが変わってきて。

「でも、視点を変えれば、終末医療で患者が苦しまずに逝くことが出来る方法なんだよなあ…。男の子が絶望せずに苦しまずに逝けたのなら、あの行動は良かったのかもしれない…。」

自分がもし、そういう状況になったら、

楽な死(寄生)か苦しむ生

どちらを選ぶんだろう…。
でもやっぱ脳を虫がはいずるって、絶対イヤだなぁ…。笑

まとめ 虫嫌いな私には読むのがしんどい本でした

以上『天使の囀り』感想・ネタバレでした!

寄生虫の気持ち悪いストーリーから、最後には終末医療について考えされられるそんな一冊でした(笑)

あー、もう二度と読みたくないっ!!!笑

 

貴志祐介さん作品だと、この3作品も怖くておすすめです!

ABOUT ME
tatsu
tatsu
アラサーサブカル女、たっつんです♪ 映画、漫画、猫が好き。 現在はブロガー・イラストレーター・デザイナーとして活動中。 田舎に住みながらゆるくフリーランスしてます。

POSTED COMMENT

  1. より:

    ウカアリってなによ
    本当に読んだの?
    ウアカリでしょ

  2. ok723 より:

    くさん
    うわー、間違ってましたー(笑)
    ご指摘ありがとうございます♪

  3. テュポン より:

    少年は末期のエイズに冒され余命幾許も無い状態だった訳で、早苗は彼を線虫で殺したわけではありません。

  4. ok723 より:

    テュポンさん
    ブログ読んでいただき、ありがとうございます!
    確かに、最後の書き方だと早苗のせいで彼が死んでしまったみたいな意味合いになってますね…!!修正します!ご指摘ありがとうございます~

  5. 匿名 より:

    自分も丁度二年前くらいですかね、その頃に読みました。
    同じく映像化して欲しくないと思わずには居られない作品でしたね。
    まぁ、実写化されれば怖いもの見たさに目を通しますが。

    • たっつん たっつん より:

      匿名さんコメントありがとうございます!
      実写化されてほしくないと書きつつ、私もされたらされたで多分怖いもの見たさで見てしまうと思います。

  6. おさる より:

    たった今天使の囀りを読み終わり、興奮して感想検索してこちらのページ拝見しましたー。
    最後の描写は読者の判断に委ねるように書かれているようですが、私は早苗が線虫を用いなかったと読めました。
    最後の少年との会話の中で早苗は少年に天使の囀りの話をしますが、少年はそれに対し「声が聞こえるんだ。天使の囀りじゃなくて」と応えます。
    少年には天使の囀りは聞こえていないんです。かわりに少年には愛する家族の声が聞こえています。
    恐怖する対象を快感に置き換える線虫の見せる最後ではありません。
    つまり、早苗は線虫を用いることはなく少年を看取ったのです。
    その後早苗は「ようやくなにかが吹っ切れたような気がする」と思い警察に出頭します。
    吹っ切れたというのは、線虫を使うかどうか迷っていたけれど使わずに患者を看取り自分の中で区切りをつけた、ということなのではないでしょうか?

    決定的なことは書かれていないので、どう読むかは読者の判断に任せていると思いますが、早苗が線虫を使ったのだとすると後味が悪すぎますよね…
    なので私は最後の早苗の決断はいい方に考えたいです。

    • たっつん たっつん より:

      おさるさん、コメントありがとうございます。

      “つまり、早苗は線虫を用いることはなく少年を看取ったのです。”
      少年のセリフも含めて、この辺の描写はあまり覚えていなかったので、おさるさんのコメントを読み直してこういう考察もあるなと思いました。

      “なので私は最後の早苗の決断はいい方に考えたいです。”
      読み手によってラストの受け取り方が変わる読み応えのある作品だなと思いますね…

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。